ADES Manager の実装の計画

内容
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ADES Manager の目的は Active Directory と Exchange Server の環境を監視することです。ADES Manager は高度に拡張性があり、複数の AIM と分散
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を使用して数百台のサーバを監視できます。パフォーマンス上の理由、地理的な理由、および論理的な理由で、ADES Manager の実装に異なる設定ができます。さまざまな設定や管理オプションを理解すれば、より効率的な ADES Manager の実装につながります。
ADES Manager をセットアップする前に、以下のトピックを確認します。
環境管理に関する注意事項
ADES Manager のセットアップ中に、環境の管理を編成する方法を指定します。小規模環境では、単一の
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 上の 1 つの場所にある 1 つのドメイン内のすべてのホストを管理する 1 つの ADES AIM を使用できます。複雑な環境では、複数の 
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 ランドスケープにわたって、異なる場所の複数のドメインにある異なるホスト サブセットを管理する複数の ADES AIM を使用できます。
いつでも組織的な仕様を変更できますが、利用可能な設定管理オプションを知っていると、初期設定をより適切に行うことができます。
ADES Manager 環境をセットアップする場合は、以下の点を考慮します。
  • 単一の ADES AIM で 1 つ以上のドメインのホストを管理できます。
  • 1 つ以上の ADES AIM で単一のドメインを管理できます。
  • 複数の ADES AIM を使用して、複数の 
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     にドメイン管理を分散できます。複数の ADES AIM を単一のランドスケープ内でサポートすることもできます。
  • 1 つの ADES AIM のみによってホストを管理します。ホストが複数の役割を果たす場合は、すべての役割を同じ ADES AIM で管理します。
ホスト管理の分散管理方法を決定するとき、環境内のホストの数と場所を考慮します。ADES AIM が管理するホストの数、および監視対象環境への AIM の距離的な近さは、パフォーマンスに影響する可能性があります。最適なパフォーマンスのために、環境の管理を適切に区分し、分散します。
注:
ドメイン レベル管理は
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ではなく ADES AIM で制御されます。ドメイン指定、負荷分散、およびサイジング ガイドラインの詳細については、セクションを参照してください。
ホストのモデリング
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 でサポートされている他のネットワーク エレメントと同様に、Active Directory および Exchange Server ホストを検出してモデリングし、監視します。ADES 環境をモデリングする際、ADES Manager は複数の異なるタイプのディスカバリを使用します。
  • ADES AIM によるディスカバリ(ADES AIM ディスカバリ)
  • CA Spectrum
     内のディスカバリ(ADES Manager ディスカバリ)
指定されたドメイン内の使用可能な Active Directory および Exchange Server ホストに関する情報を検出し提供するために、ADES Manager は、ADES AIM を使用します。その後、ADES Manager はこの情報を使用して、
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 で各ホストを個別にモデリングします。
注:
ADES Manager 機能に使用される情報は主に ADES AIM から収集されます。また、追加の情報もホストから直接収集されます。
以下のトピックでは、モデリング プロセスの詳細について説明します。
注:
環境を検出しモデリングするための手順は「ADES 環境のディスカバリとモデリング」に示します。
モデリングの対象
ADES AIM ディスカバリは、指定された 1 つ以上のドメインで、サポートされている役割をサポートするホストを検索します。これらのホストは 
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 での管理が可能になります。サポートされているサーバ役割には、Active Directory ドメイン サービス、Exchange Server ハブ トランスポート、Exchange Server メールボックスがあります。マシンにサポートされていない役割しかない場合、マシンは使用可能なホストのリストに含まれません。また、マシンはモデリングされません。使用可能なホストは、必ずしもそのすべてが 
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 でモデリングされるとは限りません。
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 管理者によって 
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ADES Manager に対して指定されたホストのみが 
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 で検出されモデリングされます。
注:
ADES AIM で、Active Directory のみ、Exchange Server のみ、または両方の技術を監視するように指定できます。単一の技術を監視する場合、その技術でサポートされている役割を持つホストのみが、使用可能なホストとして含まれます。また、新しく使用可能になったホストをすべて自動的に管理対象にするように ADES AIM で指定することもできます。この場合、サポートされているいずれかの役割を持ち、新しく使用可能になったホストはすべて、
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 で自動的にモデリングされます。AIM が提供する機能については、「ADES AIM 技術の概要」を参照してください。
ADES Manager ディスカバリ時に作成されたモデルは、ADES AIM に固有の ADES 管理対象ホスト コンテナ内のトポロジに配置されます。また、これらのモデルは Active Directory and Exchange Server Manager 階層に表示されます。ホストが、ADES Manager ディスカバリよりも前に、
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 によって管理されるネットワーク内にすでにモデリングされている場合、ホストが再度モデリングされることはありません。また、元のモデルは ADES Manager ディスカバリ中にトポロジ内で移動されることはありません。モデルはトポロジ ビューの ADES 管理対象ホスト コンテナに自動的に反映されることはありませんが、ADES Manager 階層には表示されます。場合によっては、ADES 管理対象ホスト コンテナにホスト モデルを手動で移動できます。
注:
Active Directory および Exchange Server のホスト モデルも ADES 管理対象ホスト コンテナから移動できます。このコンテナは Active Directory および Exchange Server ホストに制限されません。含めることが論理的であると管理者が考えるのであれば、他のデバイスをこのコンテナに手動で移動できます。コンテナが破棄された場合、コンテナ内のすべてのモデルは(グローバル コレクション内のモデルを除いて)、ロスト ファウンド(LostFound)に移動されます。コンテナに手動で移動した、必ずしも Active Directory または Exchange Server ホストとは限らないすべてのモデルも移動されます。
モデリング方法
可能な場合、Active Directory および Exchange Server 環境内のホストは SNMP で管理されるエレメントとしてモデリングされます。SNMP 対応のモデリングでは、ADES Manager ソリューションに付加価値を提供できる、豊富なデバイス監視をサポートします。ホストに SNMP エージェントがインストールされていない場合、ICMP(Ping 可能)デバイスとしてモデリングされます。
以下のセクションでは、Active Directory または Exchange Server ホストがどのようにモデリングされるかについて詳しく説明します。
モデルの命名
Active Directory および Exchange Server ホストをモデリングする場合、
CA Spectrum
が割り当てるモデル名は、以下のように使用されるモデリングのタイプに依存します。
  • SNMP モデリングの場合、
    CA Spectrum
    は標準的な
    CA Spectrum
    命名規則を使用して、自動的にモデルの名前を指定しようとします。自動的な命名は、VNM モデルの 
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     コントロール ビューで[モデル ネーミング順序]フィールドに示されるように、
    SpectroSERVER
     レベルで制御されます。
  • ICMP (Ping 可能)モデリングの場合(仮想デバイスではない場合)、
    CA Spectrum
     は、ADES AIM で指定されたホスト名を使用します。
    重要:
    ICMP (Ping 可能)モデリングの場合、Virtual Host Manager が設定するモデル名は、ADES Manager より優先されます。
管理者は、Active Directory または Exchange Server ホスト モデルの名前をいつでも変更できます。他の管理対象ネットワーク エレメントと同様に、
CA Spectrum
は確立された命名規則を使用して、自動的にモデル名を更新します。これにより、ユーザ定義の値を置換できます。ユーザ定義の値を保持するには、モデル名をロックします。
注:
次のモデル属性を使用してモデル名を変更し、ロックできます。Model_Name(0x1006e)および Lock_Model_Name(0x12a52)。
IP および MAC アドレスの決定
Active Directory および Exchange Server ホストをモデリングする場合、
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が割り当てる IP および MAC アドレスは使用されるモデリングのタイプに依存します。
  • SNMP モデリングの場合、
    CA Spectrum
    は、常駐 SNMP エージェントを問い合わせることにより、アドレスの決定を自動的に試行します。
  • ICMP (Ping 可能)モデリングの場合(仮想デバイスではない場合)、
    CA Spectrum
     は、ADES AIM で指定されたアドレスを使用します。
    重要
    ICMP (Ping 可能)モデリングの場合、Virtual Host Manager が設定するアドレスは、ADES Manager より優先されます。
SNMP モデリングまたは Virtual Host Manager のどちらも有効な IP や MAC アドレスを提供できない場合、ADES AIM 値が使用されます。
ホスト管理および複数の ADES AIM
単一の ADES AIM によって Active Directory または Exchange Server ホストを管理します。誤って複数の ADES AIM でホストを管理すると、以下の動作が予想されます。
  • 管理する ADES ホスト マネージャが単一のランドスケープにある場合、Active Directory または Exchange Server ホストに対して重複したモデルは作成されません。ADES Manager は、ホストを管理している別の ADES AIM が Active Directory または Exchange Server ホストに対してアラームを発行すると、それを認識します。
  • 管理する ADES ホスト マネージャが複数のランドスケープにわたって存在する場合、重複したモデルが存在します。
重要:
複数の ADES AIM で単一のホストを管理すると、パフォーマンスの問題が発生する可能性があります。詳細については、セクションを参照してください。
複数の 
CA Spectrum
 AIM ソリューションによって管理されるホスト
複数の 
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 AIM ソリューションによってホスト モデルを管理するとき、定義された管理の順序が以下のように適用されます。
  1. Virtual Host Manager
  2. Cluster Manager
  3. 他の技術(ADES Manager など)
SystemEDGE エージェントをインストールしたホストが 
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 ですでにモデリングされているとき、ADES Manager はモデルを認識し、重複モデルは作成されません。代わりに、ADES Manager は、各ソリューションのルールに従い、ルールを順番に適用して、既存のモデルを独自の管理に組み入れます。
たとえば、Virtual Host Manager と ADES Manager の両方で 1 つのホストを管理しているとき、Virtual Host Manager が割り当てたモデル パラメータが使用されます。これらのパラメータの例には、モデル名、IP アドレス、および MAC アドレスがあります。
ソリューションがデバイスを管理しなくなった場合、残りのソリューションのルールは並べられた順に再適用されます。通常、変更は次のポーリング サイクルで行われます。
定義されたこの管理の順序も、ユニバース トポロジにモデルがどのように表示されるかに影響します。
注: 
詳細については、「」と「」を参照してください。
Active Directory および Exchange Server 環境に対する変更のサポート
CA Spectrum
 内の Active Directory および Exchange Server の環境の初期モデリングの後、環境への変更は自動検出されません。以降の変更を認識しモデリングするために ADES AIM ディスカバリを手動で開始する必要があります。
ADES AIM は、AIM が開始するときに、Active Directory および Exchange Server 環境のディスカバリを実行します。その後、
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 は環境をそれに応じてモデリングします。初期 ADES AIM ディスカバリの後で ADES AIM に環境内の変更を認識させるには、ADES AIM ディスカバリを手動で開始します。その後、
CA Spectrum
 は、モデリングされた環境でこれらの変更を自動的に反映します。
Active Directory および Exchange Server 環境は潜在的に大規模であるため、動的な更新をメンテナンスすることは高コストです。また、手動の開始プロセスでは、管理者が制御された期間内に多くの環境変更に同時に対処できます。
注:
モデリング後の ADES 環境を更新する方法の詳細については、「ADES 環境の更新」を参照してください。
ADES AIM 技術の概要
ADES Manager は、Active Directory および Exchange Server 環境のディスカバリ、モデリング、および監視に ADES AIM を使用します。このセクションでは、ADES AIM が制御する機能と提供する機能について説明します。ADES Manager の実装を設定する前に、これらのトピックを確認してください。
初期設定の後、設定は変更できます。ADES AIM で直接変更するしかない設定もあれば、
CA Spectrum
 内から変更できる変更もあります。
注:
このセクションでは、ADES AIM の機能について概要を説明します。詳細については、「Virtual Host Manager」を参照してください。
このセクションでは、以下のトピックについて説明します。
ADES AIM のディスカバリ オプション
このセクションでは、ADES AIM ディスカバリ オプションについて説明します。これらのオプションは ADES AIM で定義されており、Active Directory および Exchange Server 環境内のどのホストが検出されるかを制御します。また、検出されたホストが最初にどのように管理されるかを制御します。ADES AIM に関する主な設定は以下のとおりです。
  • ドメイン名
    どのドメインを監視するかを制御します。
  • 管理エンティティ
    どの技術を監視するかを制御します(Active Directory、Exchange Server、または両方)。この設定はドメイン単位で指定されます。
  • 管理モード
    検出されたホストが最初にどのように監視されるかを制御します(ドメイン ベースまたはホスト ベース)。この設定はドメイン単位で指定されます。
以下の説明は、これらの設定がどのように相互に動作するか説明します。また、
CA Spectrum
 ADES Manager はどのようにそれらの設定を使用するか説明します。
ADES AIM をインストールして設定する際、管理対象とする 1 つ以上のドメインの名前を指定します。また、Active Directory ホスト、Exchange Server ホスト、またはその両方を管理対象にするかどうかをドメイン別に指定します。
指定されたドメイン名を使用して、ADES AIM は(ユーザの設定に基づいて) Active Directory および(または) Exchange Server ホストをすべて取得するためにグローバル カタログに問い合わせます。その後、ADES AIM は各サーバに設定されている役割を識別します。ADES AIM は、各ホストのそれぞれの役割を使用して、ホストが使用可能なホストとして含めるのに適格かどうかを判断します。
また、各ドメインについて、ADES AIM が最初に管理するか(ドメイン ベースの管理)、新しく検出されたホストを管理しないか(ホスト ベースの管理)を指定します。ドメイン ベースの管理は、ドメイン内でリクエストされた技術を提供する、すべての新しいホストを識別して自動的に管理します。ホスト ベースの管理は、デフォルトですべての新しいホストを識別しますが、管理しません。ドメイン ベースの管理は、単一の AIM で管理できる程度の小さいドメインで通常使用されます。ホスト ベースの管理は、複数の ADES AIM によって管理する程度の十分に大きいドメインで通常使用されます。
注:
 ホストベースの管理を使用して、
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内で管理対象にするホストを手動で指定します。「ADES Manager で管理するホストの指定」を参照してください。
ADES AIM によるポーリング
ADES AIM ポーリング間隔は、ADES AIM が管理対象ホストに情報を問い合わせる頻度を示します。デフォルト値は、300 秒(最小値 30 秒)です。間隔は、30 秒の倍数にする必要があります。
ADES AIM ポーリング間隔は
CA Spectrum
 内から変更できます。詳細については、「ADES AIM 設定オプションの更新」を参照してください。
重要: 
CA Spectrum
 は独自のポーリング間隔を使用して、ADES AIM をポーリングする頻度を制御します。ADES Manager が使用するポーリング間隔の詳細については、「ADES データを更新するためのポーリング間隔の制御」を参照してください。