フォールト トレランスの確立

内容
casp1032jp
内容
フォールト トレランスの確立
CA Spectrum
 の初期インストール時、任意のモデルを作成する前に、フォールト トレラント環境をセットアップできます。または、
CA Spectrum
 をインストールした後、フォールト トレラント環境をセットアップすることができます。
以下の手順では、2 台の
SpectroSERVER
(プライマリとセカンダリ) をセットアップする方法について説明します。同じ手順で、3 台目の
SpectroSERVER
 を設定することもできます。ただし 3 番目の
SpectroSERVER
 には、セカンダリ
SpectroSERVER
より大きな優先順位を割り当てます。
注:
Southbound ゲートウェイ統合の環境でフォールト トレランスを確立するには、「Southbound ゲートウェイ ツールキット」を参照してください。
以下の手順に従います。
  1. プライマリ
    SpectroSERVER
     とセカンダリ
    SpectroSERVER
    の両方に、モデリング カタログが同じ
    CA Spectrum
    の同一バージョンをインストールします。各サーバは同じランドスケープ ハンドルを必要とします。
  2. プライマリとセカンダリの両方の
    SpectroSERVER
     の .hostrc ファイルに、
    SpectroSERVER
    の相互アクセスを許可するエントリがあることを確認します。
    注:
    プライマリ の .hostrc ファイルでセカンダリ
    SpectroSERVER
    SpectroSERVER
    の安全なユーザが指定されていて、セカンダリ
    SpectroSERVER
    が Windows 環境で実行されている場合、安全なユーザ リストにユーザ SYSTEM を含めてください。
  3. セカンダリ
    SpectroSERVER
     サーバ上の .locrc ファイル内の MAIN_LOCATION_HOST_NAME パラメータが、プライマリ
    SpectroSERVER
    の .locrc ファイル内の同じシステム名をポイントしていることを確認します。そうでない場合、同期は失敗します。
  4. SpectroSERVER
     を実行しているユーザが同じになるよう、プライマリおよびセカンダリ
    SpectroSERVER
    を設定します。ユーザが同じでない場合、オンライン バックアップ実行後、セカンダリ
    SpectroSERVER
     で障害が発生するか、正しく動作しなくなります。
  5. オンライン バックアップを実行して、プライマリ
    SpectroSERVER
     データベースのコピーを作成します。または、
    SpectroSERVER
     がシャットダウンしている場合、(モデリング カタログと新規モデルを保存するため)-cm 引数を指定して SSdbsave ユーティリティを使用します。
詳細については、「
」を参照してください。
  1. 作成した保存ファイルがセカンダリ
    SpectroSERVER
     をホストするサーバで利用できることを確認します。必要に応じて、ファイルをサーバにコピーします。
  2. SpectroSERVER
     がシャットダウンしているセカンダリ サーバ上で、
    CA Spectrum
    SS ディレクトリに移動し、以下のコマンドを使用して、保存ファイルをロードします。
    ../SS-Tools/SSdbload -il -add precedence savefile
    • precedence
      プライマリ サーバのデフォルト値 10 より大きな値を指定します(20 を推奨します)。
    • savefile
      以前作成した保存ファイル名を指定します。
  3. (オプション)行「secondary_polling=yes」を .vnmrc ファイルに追加し、セカンダリ
    SpectroSERVER
    関数をホット バックアップとします。 
  4. プライマリ
    SpectroSERVER
     が起動していない場合は起動します。
  5. セカンダリ
    SpectroSERVER
     を起動します。
  6. 設定を確認するには、view 引数を付けて MapUpdate コマンドを使用し、現在のランドスケープ マップを表示します。
詳細については、「
」を参照してください。
プライマリ
SpectroSERVER
 で障害が発生した場合、セカンダリ
SpectroSERVER
が自動的に処理を継承できるようになりました。セカンダリのポーリングをアクティブ化している場合は、セカンダリ
SpectroSERVER
 が即座に使用可能になります。そうでない場合、サーバがプライマリ
SpectroSERVER
 との接続損失を検出すると、ポーリングが開始されます。
サービスがプライマリ
SpectroSERVER
 からセカンダリ
SpectroSERVER
に切り替わると、[接続ステータス]アイコン SPEC--fault_tolerance_icon が黄色で表示されます。ランドスケープ内のすべてのサーバの接続ステータスを表示するには、[接続ステータス]アイコンをクリックします。[接続ステータス]ダイアログ ボックスで、ランドスケープ内の各サーバの[接続ステータス]アイコンが黄色で表示され、「切り替え済み」状態を示します。
プライマリ
SpectroSERVER
 がオンラインに復帰すると、セカンダリ
SpectroSERVER
はポーリングを停止します(secondary_polling を「yes」に設定していない場合)。すべてのアプリケーションは再度、プライマリ
SpectroSERVER
 に切り替わります。ただし、アクティブ中にセカンダリ
SpectroSERVER
 に対して行った編集は、プライマリ
SpectroSERVER
に自動的にレプリケート
されません
。これらの変更は、プライマリ
SpectroSERVER
 に手動で実行してください。
プライマリ
SpectroSERVER
 を再起動すると、すべてのモデルがロードされた後、すべてのモデルがアクティブ化される
に、接続が受け入れられます。モデルのアクティブ化には、少し時間がかかることがあります。プライマリ
SpectroSERVER
 が再起動されると、セカンダリ
SpectroSERVER
がただちにポーリングを停止するため、ネットワーク管理範囲内のギャップが発生する場合があります。
この状況を回避するため、wait_active リソースを「yes」に設定するように、プライマリ
SpectroSERVER
 の .vnmrc ファイルを編集します。このパラメータにより、サーバはすべてのモデルがアクティブになるまで待機してから接続を受け入れます。また
CA Spectrum
 コントロール パネル内のメッセージ エリアは、アクティブにされるモデルのパーセンテージを動的に表示します。
SpectroSERVER
 の起動に時間がかかるように思われることがあります。ただし、モデルがすべてアクティブにされると、
SpectroSERVER
 はネットワークを管理する準備ができたことになります。
セカンダリ
SpectroSERVER
 でも、wait_active リソースを「yes」に設定することができます。プライマリ
SpectroSERVER
 の計画済みのシャットダウン中に、
CA Spectrum
コントロール パネルで、セカンダリ
SpectroSERVER
が処理を継承する準備ができていることを確認できます。
詳細については、「
」を参照してください。
フォールト トレランス設定の検証
分散
SpectroSERVER
 展開でフォールト トレランスをセットアップした後、OneClick サーバにプライマリおよびセカンダリ
SpectroSERVER
へのアクセス権があることを確認します。両方のサーバに接続されていない場合、OneClick サーバはセカンダリ
SpectroSERVER
 へのフェールオーバを実行できません。
以下の手順に従います。
  1. [OneClick 管理](ランドスケープ Web ページ)にアクセスします。
  2. セカンダリのステータス列を確認します。OneClick がセカンダリ SpectroSERVER と接続を確立したことを確認します。
    またステータスは、フォールト トレランスがフェールオーバの準備ができているかどうかを示します。
    フォールト トレランス設定が検証されます。
フォールト トレランスのテスト
初期インストールでは、プライマリ
SpectroSERVER
 がアクセス権が持つすべてのデバイスに対してセカンダリ
SpectroSERVER
がアクセス権を所有しているとは限らないことがあります。この状況では、セカンダリ
SpectroSERVER
 は誤ったアラームを生成します。誤った警報を回避するには、フォールト トレランスをテストすることで、セカンダリ
SpectroSERVER
 がネットワーク デバイスを管理できることを確認します。
注:
新しいデバイスをプライマリ
SpectroSERVER
に追加した場合は、フォールト トレランスをテストしてください。
以下の手順に従います。
  1. プライマリおよびセカンダリ
    SpectroSERVER
     の両方が稼働している状態で、プライマリ
    SpectroSERVER
    を停止します。
    [接続ステータス]アイコン SPEC--fault_tolerance_icon が黄色で表示され、「切り替え済み」状態を示します。
    赤色のコネクタは、OneClick サーバがセカンダリ
    SpectroSERVER
     に接続できなかったことを示します。
  2. セカンダリ
    SpectroSERVER
     を実行するまで、15 ~ 20 分待ちます。
  3. 以下の条件を確認します。
    • [接続ステータス]アイコンが赤色で表示されていない。
    • すべてのデバイス モデルおよび Ping 可能モデルの SNMP 接続または ICMP 接続が失われていない。
      この接続が失われた場合、セカンダリ
      SpectroSERVER
       がデバイスにアクセス権があることを確認します。該当する場合、この問題を解決するため、ネットワーク管理者にお問い合わせください。
    • CA Spectrum
       は、接続状態を確立したすべてのデバイスを管理します。任意のデバイス モデルからデバイス接続または管理接続の損失アラームがないかチェックして、ステータスを確認します。
  4. プライマリ
    SpectroSERVER
     を再起動します。
    [接続ステータス]アイコンが緑色で表示され、正常な接続状態を示します。
フォールト トレラント回復
2 つの可能な失敗シナリオを以下に示します。
  • プライマリ
    SpectroSERVER
     が停止します。その後、セカンダリ
    SpectroSERVER
     は、プライマリ
    SpectroSERVER
    をホストするサーバ上で実行されているプライマリ アーカイブ マネージャへ、イベントおよび統計情報を転送します。プライマリ
    SpectroSERVER
     が再起動した場合、イベントおよび統計データの損失はありません。
  • プライマリ
    SpectroSERVER
     およびプライマリ アーカイブ マネージャを実行しているコンピュータが、動作を完全に停止します。その後、プライマリ
    SpectroSERVER
     コンピュータがオンラインに復帰するまで、セカンダリ
    SpectroSERVER
    は、イベントおよび統計データをデータベースにキャッシュします。セカンダリ アーカイブ マネージャが実行中で、履歴情報およびリアルタイム情報が OneClick 内で使用可能な場合、プライマリ アーカイブ マネージャへの転送用に情報が引き続きキャッシュされます。
サーバがダウンした場合、またはプライマリ
SpectroSERVER
 が動作を停止した場合、プライマリ アーカイブ マネージャとプライマリ
SpectroSERVER
の両方を再起動します。
注:
SpectroSERVER の前にアーカイブ マネージャを開始する必要はなくなりました。セカンダリ SpectroSERVER からのキャッシュされたイベントは、プライマリ SpectroSERVER が新しいイベントのログ記録を開始した後でも、いつでも転送できます。
以下の手順に従います。
  1. プライマリ
    SpectroSERVER
     ホスト上で SPECTRUM コントロール パネルを開始します。
  2. SpectroSERVER
     を開始するには、SPECTRUM コントロール パネル上で[
    SpectroSERVER
    の開始]をクリックします。
    プライマリ アーカイブ マネージャが再度動作可能になったら、セカンダリ
    SpectroSERVER
     は、キャッシュされたイベント データをプライマリ アーカイブ マネージャに転送します。
プライマリ SpectroSERVER およびセカンダリ SpectroSERVER のホスト名の変更
フォールト トレラント環境内の
SpectroSERVER
 は、ホスト名に関連付けられている優先順位値を使って、相互の関係を認識します。そのため、フォールト トレラント関係を維持するには、プライマリ
SpectroSERVER
 のホスト名を変更する場合に SSdbsave と SSdbload を使用する必要があります。
以下の手順に従います。
  1. -cm オプションを付けて SSdbsave を使用し、データベースを保存します。
  2. ホスト名を変更します。
  3. 最初の手順で作成した保存ファイルを使って、データベースを再ロードします。-il オプションおよび -replace オプションを指定して、SSdbload を実行します。
    SSdbload -il -replace precedence savefile
    このコマンドは、プライマリ
    SpectroSERVER
     を指定する優先順位値(10)を使って、データベースに新規ホスト名を関連付けます。
    オンライン バックアップの実行結果として、次回データベースが同期されると、ホスト名の変更がウォーム スタンバイまたはホット スタンバイの 
    SpectroSERVER
     に伝達されます。
    ただし、ホスト名の変更により、プライマリ
    SpectroSERVER
     を動作していることを、スタンバイ
    SpectroSERVER
    が検出できなくなります。その結果、ウォーム スタンバイとして設定されている
    SpectroSERVER
     はポーリングを開始します。
  4. これを防ぐには、-il オプションと -replace オプションを付けて SSdbload を使用し、ウォーム スタンバイ上で保存ファイルをロードして、スタンバイとして指定する、より大きい優先順位値(20 など)を指定します。
これで、セカンダリ
SpectroSERVER
 のホスト名を変更できるようになりました。
以下の手順に従います。
  1. -cm オプションを付けて SSdbsave を使用し、データベースを保存します。
  2. ホスト名を変更します。
  3. 最初の手順で作成した保存ファイルを使って、データベースを再ロードします。-il オプションおよび -replace オプションを指定して、SSdbload を実行します。
    SSdbload -il -replace precedence savefile
    このコマンドは、セカンダリ
    SpectroSERVER
     を指定する優先順位値(20)を使って、データベースに新規ホスト名を関連付けます。
    セカンダリ
    SpectroSERVER
     を再起動する場合、サーバはプライマリ
    SpectroSERVER
    に新しいホスト名と優先順位を伝えます。
 
詳細については、「
」を参照してください。