データベースのバックアップ
内容
casp1032jp
内容
データベースのバックアップ コピーを規則正しく作成することは、データベース保守の基礎です。データベースの信頼できるバックアップ コピーがあれば、停電または他のシステム中断の後で、データベースをリストアできます。
CA Spectrum では、SpectroSERVER データベースのバックアップを実行する方法を 2 つ提供しています。
- SpectroSERVER を実行したまま自動で実行
- SpectroSERVER をシャットダウンして手動で実行
重要:
このセクションで説明するオンライン バックアップおよび SSdbsave ユーティリティによるデータベース バックアップ方法以外では、SpectroSERVER データベースをバックアップできません。サードパーティのバックアップ ソフトウェアを使用すると、データベースが破損する可能性があります。オンライン バックアップ
オンライン バックアップでは、SpectroSERVER をシャットダウンすることなく、SpectroSERVER データベースのバックアップ コピーを作成することができます。要件に応じて、オンライン バックアップをオンデマンドを実行できます。または、標準バックアップを自動的に実行するようにスケジュールできます。ディスク空き容量が制限されている場合は、CA Spectrum gzip ユーティリティを使用してバックアップ ファイルを自動的に圧縮するようにオンライン バックアップを設定します。
オンライン バックアップは、モデリング カタログおよびモデルを含むデータベース全体を保存します。ただし、[オンライン バックアップ]でも手動のバックアップ処理でも以下の情報は保存されません。
- キャッシュされたイベント情報
- アラーム
- キャッシュされた統計情報
- DDM データベースの履歴レコード(後述の注を参照)
- SpectroSERVER リソース ファイル(.vnmrc)
オンライン バックアップ アクティビティは、VNM モデルと関連付けられたイベントとして記録されます。CA Spectrum は、バックアップ処理中に発生したエラーをアラームとしてレポートします。
オンライン バックアップでの保存は、2 つの主要な手順で実行されます。
- コピーを作成して、データベース ファイルの「スナップショット」を保持します。この最初の手順の間、ポーリング、トラップ処理、ネットワーク管理アクティビティは一時停止されます。処理は比較的短い時間で終わりますが、ベスト プラクティスとして、自動保存操作をスケジュールする頻度およびタイミングを検討します。コピー操作の実行に要する時間は、ワークステーション ハードウェアおよびデータベースのサイズに依存します。
- 手動データベース保存ユーティリティ SSdbsave と同じ形式を使用して、コピーを保存します(必要な場合は圧縮します)。
オンライン バックアップ自体では、DDM データベースは保存されません。ただし、post_olb_script を自動的に実行するように設定し、SpectroSERVER データベースのオンライン バックアップが実行されるときに常に DDM データベースを保存するように設定することができます。
注:
フォールト トレラント環境では、オンライン バックアップを実行する前に、プライマリとセカンダリの両方の SpectroSERVER に同じユーザとしてログオンしていることを確認します。バックアップ ファイルのメンテナンス
自動的なバックアップが有効になっている場合、バックアップ ファイルがバックアップ ディレクトリに蓄積し、使用可能なディスク領域がなくなる可能性があります。バックアップ障害を回避するには、ファイルをときどき削除するか、より永続的なストレージ媒体にバックアップ ファイルを移動します。
オンライン バックアップの設定
オンライン バックアップを設定するときは、バックアップ間隔および最初のスケジュールされたバックアップの日時を指定できます。さらに高度なスケジュール オプションの場合は、
$SPECROOT
/SS-Tools ディレクトリの StartOnlineBackup アプリケーションを使用してオンライン バックアップを開始します。StartOnlineBackup アプリケーションは、ホスト システムのタスク スケジューラまたは crontab から起動できます。StartOnlineBackup アプリケーション内の高度なスケジュール オプションでは、夏時間のためにスケジュールされたバックアップがずれる問題を回避できます。以下の手順に従います。
- OneClick で、[ユニバース トポロジ]ビューを開き、VNM モデルを選択します。
- [情報]タブをクリックし、[オンライン データベース バックアップ]サブビューを展開します。
- 必要に応じて以下の設定を設定します。
- 自動バックアップこれが有効な場合、[バックアップ間隔]設定で指定された時間にしたがって、オンライン バックアップ機能によってオンライン バックアップが自動的に実行されます。
- バックアップ間隔自動的なバックアップの間隔を時間と分で指定します。データベースが毎日同時刻にバックアップされるように、24 時間 0 (ゼロ)分のデフォルト間隔を使用することをお勧めします。任意の値を入力します。たとえば、168 時間 0 分(1 週間の間隔の場合)と 10,080 分(やはり 1 週間の間隔)は同じです。
- 次のバックアップの日時次のスケジュールされたバックアップの日時が表示されます。最初のバックアップの日時を指定できます。ただし、それより後のバックアップは、[バックアップ間隔]設定で指定されている間隔で実行されます。
- バックアップ圧縮有効にすると、バックアップ ファイルは圧縮ユーティリティを使用して圧縮されてから、ディスクに書き込まれます。圧縮ファイルは、ファイル名に .gz サフィックスが追加されて保存されます。無効にすると、ファイルは圧縮さずに保存されます。デフォルト値は「有効」です。
- バックアップ ファイル名のプレフィックスバックアップ ファイル名のユーザ定義の部分を指定します。デフォルトのプレフィックスは、「db_」です。ただし、SpectroSERVER を実行しているシステムで有効なファイル名を作成する任意の文字列を指定できます。設定しないと、プレフィックスはファイル名に追加されません。ファイル名のサフィックスはバックアップが実行された日時を示し、yyyymmdd_hhmm.SSdb[.gz] という形式が使用されます。
形式 | Description |
yyyy | 4 桁の年 |
MM | 月 |
dd | 1 ~ 31 の日 |
hh | 1 ~ 24 の時刻 |
mm | 00 ~ 59 の分 |
gz | 圧縮されたバックアップを示します(圧縮ファイルのみ) |
SSdb | すべてのデータベース保存ファイルのデフォルト サフィックス |
バックアップ ディレクトリ
バックアップ ファイルが格納されるディレクトリを指定します。ローカル ディレクトリを使用することをお勧めします。デフォルトのディレクトリは、
$SPECROOT
/SS-DB-Backup です。- 必要な最小ディスク容量(MB)オンライン バックアップを開始できる最小ディスク空き容量を指定します。デフォルトしきい値は 20 MB です。使用可能なディスク容量がしきい値以下に低下したときに自動バックアップが開始した場合は、イエロー アラームが生成されます。想定される原因としては、ディスク空き容量不足によりバックアップ失敗が示されます。
現在の設定を使用してオンデマンドでのバックアップを開始するには、[今すぐバックアップを開始]ボタンをクリックします。
オンライン データベース バックアップ ユーティリティは、最初に SpectroSERVER の操作を一時停止します。その後、データベースをコピーして保存します。
注:
進行中のオンライン バックアップ操作のステータスが、[今すぐバックアップを開始]ボタンの隣に表示されます。エラーが発生した場合は、イベントおよび関連するアラームが[イベント]タブおよび[アラーム]タブに表示されます。オンライン バックアップ中に生成される可能性のあるイベントおよびアラームのリストについては、「オンライン バックアップのイベントとアラーム」を参照してください。StartOnlineBackup アプリケーション
StartOnlineBackup アプリケーションでは、オペレーティング システムのスケジュール アプリケーションを使用して定期的なバックアップをスケジュールすることができます。たとえば、Windows 環境ではタスク スケジューラを使用できます。これらのアプリケーションを使用すると、スケジュールされたバックアップがずれる夏時間に関する潜在的な問題を回避できます。このアプリケーションは、自動バックアップ セットアップを使用するより高度な代わりです。
StartOnlineBackup アプリケーションは、タスク スケジューラまたは crontab から起動できます。
$SPECROOT
/SS-Tools ディレクトリにあります。StartOnlineBackup の構文は次のとおりです。StartOnlineBackup -lh <landscape handle>
VNM モデルの[情報]タブの[オンライン データベース バックアップ]サブビューで、StartOnlineBackup のバックアップ パラメータを設定できます。次のパラメータは例外です: 自動バックアップ、バックアップ間隔、次のバックアップの日時。
オンライン バックアップ ファイルでのデータベースのリストア
オンライン バックアップが生成する圧縮されていないバックアップ ファイルは、-cm オプションを指定した SSdbsave ユーティリティを使用して保存されるファイルと同じ形式で格納されます。
注:
サフィックスが .gz の圧縮ファイルをリストアするには、CA Spectrum に付属する gzip ユーティリティを使用します。このユーティリティは、SSdbsave ユーティリティが使用する形式にファイルをリストアします。オンライン バックアップのイベントとアラーム
オンライン バックアップに関係のあるイベントおよびアラームは次のとおりです。
イベント コード | イベント | イベントの原因 | 作成されるアラーム |
0x00010903 | OB_EVENT_GEN_FAILURE | データベースを開くことができない | レッド |
0x00010903 | OB_EVENT_GEN_FAILURE | データベースを閉じることができない | レッド |
0x00010903 | OB_EVENT_GEN_FAILURE | バックアップ失敗の原因となる他の理由 | オレンジ |
0x00010904 | OB_EVENT_BACKUP_ON | 自動バックアップがユーザによって有効にされた | いいえ |
0x00010906 | OB_EVENT_BACKUP_STARTED | オンライン バックアップが開始した | いいえ |
0x00010907 | OB_EVENT_BACKUP_COMPLETED | オンライン バックアップが正常に完了した | いいえ |
0x00010908 | OB_EVENT_NO_FILE_OR_DIRECTORY | ファイル/ディレクトリが存在しない、または読み取り/実行権限がない | イエロー オレンジ |
0x0001090a | OB_EVENT_NO_CREATE_BACKUP_DIR | バックアップ ディレクトリを作成できない | オレンジ |
0x0001090b | OB_EVENT_LOW_DISK_SPACE | ディスク空き容量が不足しています。バックアップが失敗しました。 | イエロー |
0x0001090c | OB_EVENT_COPY_FAILED | データベースをコピーできない | レッド |
0x0001090e | OB_EVENT_DB_INCONSISTENT | データベース不整合 | オレンジ |
0x00010920 | OB_EVENT_OFFLINE_SAVE_FAILED | 保存プロセスのオフライン部分が失敗した | レッド |
0x00010921 | OB_EVENT_VNM_RESUMED | 通常動作再開中、SpectroSERVER が一時停止された | いいえ |
0x00010922 | OB_EVENT_BAD_FILENAME | 指定されたファイル名が有効な Posix ディレクトリ名ではない | オレンジ |
0x00010924 | OB_EVENT_DBSYNC_FAILED | バックアップ サーバ同期の試行が失敗した | オレンジ |