VCD のタイプ
内容
casp1032jp
内容
出荷ファイルは 2 つのカテゴリに分類されます。
- プラットフォーム固有の出荷ファイル。すべてのサポートされるプラットフォーム(Windows および Linux)で正常にインストールおよび使用できない場合、ファイルはプラットフォーム固有です。プラットフォーム固有のファイルの例は、オブジェクト ファイルです。Windows のオブジェクト ファイルは Linux にリンクできず、その逆もできないため、同じオブジェクトファイルの個別のバージョンが各プラットフォーム用に出荷される必要があります。
- プラットフォームに依存しない出荷ファイル。すべてのサポートされるプラットフォームで正常にインストールできる場合、ファイルはプラットフォームに依存しません。プラットフォームに依存しない出荷ファイルの例は、テキスト ファイルです。テキスト ファイルの形式は、Windows および Linux で同じであるため、同じテキスト ファイルを一度に出荷することができ、すべてのプラットフォームで正常にインストールおよび使用することができます。
VCD は以下のカテゴリに分類されます。
- マルチプラットフォーム VCD。マルチプラットフォーム VCD には、1 つ以上のプラットフォーム用のプラットフォーム固有の出荷ファイルが含まれています。たとえば、マルチプラットフォーム VCD には、Windows および Linux のプラットフォーム固有の出荷ファイルを含めることができます。プラットフォーム固有の出荷ファイルは、VCD の以下のフォルダに保持されます。
- (Windows) nt フォルダ
- (Linux) linux フォルダ
- 単一プラットフォーム VCD。単一プラットフォーム VCD は、1 つのプラットフォームのみのプラットフォーム固有の出荷ファイルが含まれるマルチプラットフォーム VCD です。たとえば、Windows 用の単一プラットフォーム VCD は、nt 領域があるが sunos5 または linux 領域がないマルチプラットフォーム VCD です。そのため、VCD が Windows にインストールされる場合は、nt 領域のファイルがインストールされますが、VCD を Linux にインストールすることはできません。
- プラットフォームに依存しない VCD。プラットフォームに依存しない VCD は、プラットフォームに依存しない出荷ファイルのみを含む VCD です。これらのプラットフォームに依存しないファイルは、VCD の任意の領域に保持されます。任意のプラットフォーム(Windows および Linux)にインストールする場合、任意の領域からのファイルがインストールされます。
以下のセクションでは、マルチプラットフォーム、単一プラットフォーム、およびプラットフォームに依存しない VCD の作成の推奨される方法を表すシナリオを説明します。シナリオでは、以下を前提としています。
- 必要な出荷ファイルおよびインデックス ファイルは、VCD に含める各プラットフォームごとに作成されています。
- 出荷ファイルとインデックス ファイルは、VCD を作成するマシンで利用可能です。これは通常、出荷ファイルをコピーまたはリモート ファイル システムを作成して実施されます。
- SEI ツールキットがインストールされ、VCD を作成するマシン上で利用可能です。
単一プラットフォーム VCD の作成
このシナリオでは、Windows ホストの
CA Spectrum
ディレクトリ内で出荷ファイルおよびインデックス ファイルを作成し、そのホスト上で mkmm を実行して単一プラットフォーム VCD を作成することを想定しています。- インデックス ファイルが含まれるディレクトリに移動します。
- 単一行エントリで以下のコマンドを実行します。<$SPECROOT>/INSDK/mkmm <indexFile> vcd=<vcdDirectory>
この場合、mkmm は Windows 上で実行されるため、プログラムは VCD に Windows 出荷ファイルを追加することで環境に応答します。この結果、単一プラットフォーム Windows VCD が作成されます。この VCD は Linux プラットフォームにはインストールされません。
注:
インストール可能にするには、mkcd を VCD 上で呼び出す必要があります。これは、任意のプラットフォームで以下のコマンドを実行して実施します。<$SPECROOT>/INSDK/mkcd -f <vcdDirectory> <vcdVersion>
例: マルチプラットフォーム VCD の作成(方法 1)
以下のシナリオでは、Windows ホストおよび Linux ホストの
CA Spectrum
ディレクトリ内で出荷ファイルおよびインデックス ファイルを作成し、これらのプラットフォームのいずれかにインストールされるマルチプラットフォーム VCD を作成することを想定しています。これを行うには、各プラットフォーム固有のホスト上で mkmm を 1 回実行する必要があります。Windows ホストでは、以下の手順で単一プラットフォーム Windows VCD を作成します。
- Windows インデックス ファイルが含まれるディレクトリに移動します。
- 単一行エントリで以下のコマンドを実行します。<$SPECROOT>/INSDK/mkmm <WindowsIndexFile> vcd=<vcdDirectory>
Linux ホストでは、マルチプラットフォーム VCD をコピーまたはマウントします。
- 引き続き Linux ホスト上で、VCD に Linux 出荷ファイルを追加します。
- Linux インデックス ファイルが含まれるディレクトリに移動します。
- 単一行エントリで以下のコマンドを実行します。<$SPECROOT>/INSDK/mkmm <LinuxIndexFile> vcd=<vcdDirectory>
注:
インストール可能にするには、mkcd を VCD 上で呼び出す必要があります。これは、任意のプラットフォームで以下のコマンドを実行して実施します。<$SPECROOT>/INSDK/mkcd -f <vcdDirectory> <vcdVersion>
例: マルチプラットフォーム VCD の作成(方法 2)
以下のシナリオでは、Windows ホストおよび Linux ホストの
CA Spectrum
ディレクトリ内で出荷ファイルおよびインデックス ファイルを作成することを想定しています。これらのプラットフォームのいずれかにインストールされるマルチプラットフォーム VCD を作成し、マルチプラットフォーム VCD の生成に単一ホスト(このシナリオでは Windows ホスト)を使用します。- Windows ホストでは、以下の手順で単一プラットフォーム Windows VCD を作成します。
- Windows インデックス ファイルが含まれるディレクトリに移動します。
- 単一行エントリで以下のコマンドを実行します。<$SPECROOT>/INSDK/mkmm <WindowsIndexFile> vcd=<vcdDirectory>インデックス ファイルに指定されたディレクトリが Windows ホストによってアクセスできることを確認します。
- 引き続き Windows ホストで、LinuxCA Spectrum領域をマウントします。
- VCD に Linux 出荷ファイルを追加します。
- Linux インデックス ファイルが含まれるディレクトリに移動します。
- 単一行エントリで以下のコマンドを実行します。<$SPECROOT>/INSDK/mkmm plat=linux <LinuxIndexFile> vcd=<vcdDirectory>
注:
インストール可能にするには、mkcd を VCD 上で呼び出す必要があります。これは、任意のプラットフォームで以下のコマンドを実行して実施します。<$SPECROOT>/INSDK/mkcd -f <vcdDirectory> <vcdVersion>
例: プラットフォームに依存しない VCD
このシナリオでは、Windows ホストの
CA Spectrum
ディレクトリ内で出荷ファイルおよびインデックス ファイルを作成することを想定しています。出荷可能ファイルはすべてプラットフォームに依存しないため、Windows または Linux に安全にインストールすることができます。同様に、インデックス ファイルにはプラットフォーム固有のエントリ(plat=<platform> 修飾子)がないため、同じ一連のファイルを任意のプラットフォームに出荷することができます。単一のホストで mkmm を実行してプラットフォームに依存しない VCD を作成します。Windows ホスト上で、VCD を作成していると仮定します。
- Windows ホストで、Windows インデックス ファイルが含まれるディレクトリに移動します。
- 単一行エントリで以下のコマンドを実行します。<$SPECROOT>/INSDK/mkmm any=yes <WindowsIndexFile> vcd=<vcdDirectory>any=yes フラグによって、mkmm がプラットフォームに依存しない VCD を作成するようにします。その後この VCD にプラットフォーム固有の出荷ファイルを追加しようとすると、mkmm が失敗することに注意してください。
注:
インストール可能にするには、mkcd を VCD 上で呼び出す必要があります。これは、任意のプラットフォームで以下のコマンドを実行して実施します。<$SPECROOT>/INSDK/mkcd -f <vcdDirectory> <vcdVersion>