ステータスとパフォーマンスの監視
内容
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内容
このセクションでは、VPLS Manager を使用して VPLS 環境のパフォーマンスを監視し、カスタマ SLA への準拠を確認するために必要な情報について説明します。このセクションは、VPLS Manager の一般的なオペレータを対象としています。
パフォーマンスと SLA の監視
ISP では、個々のカスタマに対するサービスの継続性が重要であるため、多くの場合 SLA が確立されます。サービスの停止を完全に防ぐことはできませんが、SLA での合意条項に従って、ISP が停止を最小限に抑えることにカスタマは依存します。
カスタマ SLA に準拠するための VPLS 環境の監視は、困難な場合があります。VPLS Manager は、MPLS デバイスのパフォーマンスを監視し、デバイスと PE ルータの関係を表示する手段を提供することで、このタスクを容易にします。VFI によって影響を受けるカスタマを特定することにより、以下の方法のいずれかで VPLS 環境のパフォーマンスを監視するときに SLA を監視できます。
- VFI の状態を分析する-- 障害監視を使用して、VPLS Manager は継続的に VPLS デバイスの最新の状態に関する情報を提供します。これらの状態はトラップとアラームをトリガする可能性があります。VPLS 環境から生成されたすべてのアラームから、パフォーマンスの問題の詳細を把握できます。
- カスタマの VFI を検索してその稼働状況を監視する-- 検索を使用すると、特定のカスタマが使用している VFI または VPLS サイトを特定できます。これらのデバイス モデルを特定した後、現在の状態や詳細なパフォーマンス情報を確認して、設定された SLA を達成できます。
- リアルタイムでパフォーマンスの詳細を表示する-- 任意の VFI または VPLS サイト モデルについて、オンデマンドのパフォーマンス レポートを見ることができます。
- レポートを実行する-- VPLS Manager は、イベント レポートや可用性レポートなど、VPLS 環境の稼働状況の監視に役立つさまざまなレポートを提供します。
これらの監視タスクは、事前対処的に行われる場合と(特定の VFI の検索など)、VPLS 環境内のデバイスによってトリガされたアラームの結果として行われる場合があります。
SLA 情報は VPLS Manager に保持されませんが、クライアントによって使用される VFI の名前などの SLA に関する情報を使用して、VPLS デバイスが関係するアラームによって影響を受けるカスタマを特定できます。
VPLS デバイスの状態を計算する方法
VFI の全体的な状態は、VPLS サービスのプロバイダにとって非常に重要です。VFI の状態を把握すると、カスタマ SLA が満たされていることを確認したり、VPLS 環境のパフォーマンス調整が必要なときを決定したりできます。
CA Spectrum
は、VPLS サービスの提供に使用されるリソースの状態を継続的に監視します。VPLS Manager の目的は、物理的および論理的なネットワーク エンティティとの関係を理解することにより、VPLS サービスの稼働状況を判別することです。VPLS Manager は、VFI の集計 VPLS サイト状態の分析に基づいて VFI の状態を計算します。VFI の状態を計算するためのプロセスは次のとおりです。
- PE ルータ、インターフェース、およびインターフェース VPLS の設定を、ユーザ定義の間隔でポーリングします。
- 監視対象リソースのいずれかで障害が発生すると、VPLS サイト モデルの稼働状況にこの状態が反映されます。具体的には、以下の要因に基づいて VPLS サイトの状態が計算されます。
- PE ルータの接続ステータス
- VPLS が有効なインターフェース(IPLS)の状態
- VPLS が有効なインターフェースの設定
- mplsVpnVrfOperStatusの値
- 物理インターフェースの ifOperStatus の値
- jnxVpnIfUp、jnxVpnPwUp, jnxVpnIfDown、または jnxVpnPwDown トラップの受信
- その後、すべての VPLS サイトのステータスが、VFI の稼働状況にロールアップされます。
次の図は、VPLS サイトの状態が計算されて VFI モデルにロールアップされる方法を示したものです。

たとえば、
CA Spectrum
は、VPLS サイト 1 の状態を、インターフェース 1 の状態、PE ルータ 1 の状態、インターフェース 1 の VPLS の状態の組み合わせとして計算します。VPLS サイト 3 の状態は、インターフェース 3 とインターフェース 4 の 2 つのインターフェースによって影響を受けます。したがって、VPLS サイト 3 の状態は、PE ルータ 2 の状態と、2 つのインターフェースの状態と VPLS 設定の組み合わせになります。VFI モデルの状態は、VFI に含まれるすべての L2VpnSite の状態によって決定されます。以下のリストでは、VFI の各状態が決定される方法について説明します。
- 初期L2VpnSite はモデリングされていないか、またはすべての VPLS サイト モデルが「初期」です。「初期」である VPLS サイトの割合がマイナーしきい値を超えています。
- 保守すべての L2VpnSite モデルがメンテナンス モードです。
- マイナーL2VpnSite ダウン(サイト ロールアップ状態)の割合がマイナーしきい値を超えており、かつメジャーしきい値未満です。
- メジャーL2VpnSite ダウンの割合がメジャーしきい値を超えており、かつ重大しきい値未満です。
- 重大L2VpnSite ダウンの割合がクリティカルしきい値を超えています。
- 良好L2VpnSite ダウンの割合がマイナーしきい値未満です。
VFI モデルごとに、VPLS Manager モデルが VFI 状態アラームを生成するかどうかを制御するしきい値を設定できます。
リアルタイムのパフォーマンス データの表示
VPLS 環境のパフォーマンスを測定するには、VFI によって使用されるデバイスおよびインターフェースを分析する必要があります。それらのステータスは、VPLS 環境の全体的な稼働状況を判断し、パフォーマンスを向上するための変更を行う必要があるかどうかを決定するのに役立ちます。リアルタイムのパフォーマンス監視は、VPLS が有効なインターフェースのオンデマンド ポーリングによって実行されます。以下のインターフェース統計情報がポーリングされます。
- バイト数(イン)レート
- バイト数(アウト)レート
VPLS デバイスのリアルタイム パフォーマンス データを表示するには
- 監視する VPLS デバイスを検索します。VPLS デバイス モデルがコンテンツ画面の検索結果に表示されます。
- VPLS デバイス モデルを選択します。選択したモデルの詳細が、コンポーネント詳細画面に表示されます。
- コンポーネント詳細画面で[パフォーマンス]タブをクリックします。
- ドロップダウン フィールドから、以下のオンデマンド レポートのいずれかを選択します。
- トラフィック合計
- コンポーネント トラフィック(イン)
- コンポーネント トラフィック(アウト)
選択したレポートのパフォーマンス データが、リアルタイム グラフに表示されます。注:選択した VFI のパフォーマンス データは、VFI 内のコンポーネント VPLS サイトのパフォーマンス データの集計です。CA Spectrumはこのデータを保存しませんが、グラフは 10 秒ごとに更新されて現在のパフォーマンス情報を反映します。