ATM ネットワークでの仮想インターフェースのモデリング
内容
casp1032jp
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CA spectrum では、物理デバイス間の接続は、FDDI インターフェースや HSSI インターフェースなどのエンドポイントのステータス データとパフォーマンス データをポーリングすることにより管理されます。
論理接続の管理と物理接続の管理の違いは、論理接続のエンドポイントが仮想パス リンク(VPL)または仮想チャネル リンク(VCL)であるということだけです。このセクションでは、VPL と VCL をまとめて
仮想リンク
と呼びます。物理インターフェースと同じように、仮想リンクにも MIB 内にオブジェクトがあり、ステータス、帯域幅、および MIB によってはパフォーマンス統計が含まれます。MIB-II
ifTable
で表される物理インターフェースのインデックスは 1 項ですが、VPL のインデックスは 2 項、VCL のインデックスは 3 項です。- VPL のインデックスの形式はifIndex.VPIです。ifIndexは VPL が動作している物理インターフェースのインデックスであり、VPIは仮想パス識別子(パスの作成時に設定される識別子)です。
- VCL のインデックスはifIndex.VPI.VCIという形式です。VCIは、仮想チャネル識別子(チャネルの作成時に設定される識別子)です。
サポートされている ATM MIB を持つすべての ATM クライアントとスイッチに対し、仮想リンクをモデリングすることができます。
必要な MIB
CA Spectrum は、異なる SNMP MIB セットを使用して、ATM リンクと論理接続を管理できます。CA Spectrum は、ATM デバイスを表すデバイス モデルを作成するときに、デバイスがサポートする ATM MIB を基にしてアプリケーション モデルも作成します。
次の表では、ATM デバイスをサポートする CA Spectrum 管理モジュール、それらのデバイスをサポートするために必要な MIB、および必要な MIB をサポートするために作成されるアプリケーション モデルのタイプの一覧を示します。
管理モジュール | MIB | アプリケーション モデル タイプ |
CA Spectrum コア製品 | ATM-MIB | ATMClientApp |
CA Spectrum コア製品 | ATM-MIB ATM2-MIB ATM-FORUM-MIB | ATMSwitchApp |
Bay Networks Centillion 100 (SM-BAY1001) | CENTILLION-ATMCFG-MIB | CentATMApp |
Cisco Catalyst 85xx (SM-CAT1008) | ACCOUNTING-CONTROL-MIB ATM-MIB ATM-FORUM-MIB ATM-RMON-MIB CISCO-ATM-ACCESS-LIST-MIB CISCO-ATM-CONN-MIB CISCO-ATM-IF-MIB CISCO-ATM-IF-PHYS-MIB CISCO-ATM-RM-MIB CISCO-ATM-SERVICE-REGISTRY-MIB CISCO-ATM-SWITCH-ADDR-MIB CISCO-ATM-TRAFFIC-MIB CISCO-PNNI-MIB | CiscoSwitchApp |
Cisco LightStream 1010 (SM-CIS1002) | ACCOUNTING-CONTROL-MIB ATM-MIB ATM-FORUM-MIB ATM-RMON-MIB CISCO-ATM-ACCESS-LIST-MIB CISCO-ATM-CONN-MIB CISCO-ATM-IF-MIB CISCO-ATM-IF-PHYS-MIB CISCO-ATM-RM-MIB CISCO-ATM-SERVICE-REGISTRY-MIB CISCO-ATM-SWITCH-ADDR-MIB CISCO-ATM-TRAFFIC-MIB CISCO-PNNI-MIB | LS_Switch_App |
Cisco Router (CIS-1000) | CISCO-AAL5-MIB | CiscoAAL5App |
Cisco Stratacom BPX8600 および IGX8400 シリーズ(SM-CIS1003) | STRATACOM-MIB | StComATMSwApp |
ForeRunner ATM スイッチ モジュール(SM-FOR1000) | Fore-Switch-MIB | ForeSwitchApp |
Lucent Ascend CBX (SM-LUC1002) | CASCADE-MIB | CascadeATMApp |
Nortel Passport Multiservice Carrier スイッチ シリーズ(SM-NTL1005) | Nortel-MsCarrier-MscPassport-AtmCoreMIB | PpAtmClientApp |
SmartSwitch 9000/9500 シリーズ(SM-CSI1073) | ATM-MIB ATM2-MIB ATM-FORUM-MIB | PredSwitchApp |
デバイスのモデルに対する仮想リンクの指定
CA Spectrum は、デバイス上の MIB を定期的に読み取って現在存在する仮想リンクを特定することで、ATM デバイス上の仮想リンク(VPL および VCL)をモデリングします。デフォルトでは、ATM リンク(VPL および VCL)は ATM クライアントについてモデリングされ、パフォーマンス上の理由から ATM スイッチについてはモデリングされません。
このデフォルトの動作の例外は、ATM スイッチの物理インターフェースが ATM_Cloud モデルに接続されている場合です。このような状況では、そのインターフェースに関連付けられている仮想リンクがモデリングされます。これらの仮想リンクは、ATM_Cloud での論理接続を解決するために必要です。
ATM デバイスの設定を変更し、VPL のみをモデリングする、VPL と VCL の両方をモデリングする、または仮想リンクをまったくモデリングしないことができます。最後のオプションは、デバイスの仮想リンクが動的であり(SVC が使用されている場合など)、それをモデリングしても固有の値が保持されない場合に、特に役立ちます。
注:
特定の ATM デバイスに非常に多くの VCL (千単位)が存在する場合、仮想リンク モデルのモデリングと再設定が SpectroSERVER のパフォーマンスに影響を与える可能性があります。ATM デバイスでモデリングする仮想インターフェースを指定するには
- ナビゲーション画面または[トポロジ]タブを使用して、デバイスを見つけて選択します。デバイスに関する情報がコンポーネント詳細画面に表示されます。
- コンポーネント詳細画面の[情報]タブをクリックして[再設定]を展開し、[ATM リンク モデリング オプションおよび再設定]を展開します。
- デバイスの ATM リンク(仮想インターフェース)をモデリングするかどうかを指定し、モデリングする場合は、VPL のみ、または VPL と VCL の両方のどちらをモデリングするかを指定します。
- ATM リンクのモデリングを有効にするには、[ATM リンクを表すモデルを作成します]フィールドの設定をクリックし、[有効]を選択します。または、ATM リンクをモデリングしない場合は、[無効]を選択します (デフォルトでは、このオプションは ATM クライアント モデルでは有効、ATM スイッチ モデルでは無効になっています)。注:デバイスの ATM リンクが現在モデリングされている場合に、このオプションを無効にすると、デバイスの既存のすべての ATM リンク モデルは、次のステップで[ATM リンクおよび仮想インターフェース モデルの再設定]をクリックした後に削除されます。
- 仮想チャネル リンク(VCL)のモデリングを有効にするには、[VCL リンクを表すモデルの作成]フィールドの設定をクリックし、[有効]を選択します。または、VCL をモデリングしない場合は、[無効]を選択します注:このオプションは VCL のモデリングのみを制御します。[ATM リンクを表すモデルを作成します]が[無効]に設定されている場合、この設定は何も行いません。
- [ATM リンクおよび仮想インターフェース モデルの再設定]をクリックします。CA Spectrum は、デバイス上の MIB を読み取って現在存在する仮想リンクを特定した後、指定された設定に従って仮想リンク モデルを作成および破棄します。
仮想リンク モデルの更新頻度の指定
CA Spectrum は、デバイス上の MIB を定期的に読み取って現在存在する仮想リンクを特定することで、ATM デバイス上の仮想リンク(VPL および VCL)をモデリングした後、それに従って仮想リンク モデルを更新します。必要な場合は、この読み取り操作が実行される間隔を変更できます。
仮想リンク モデルの更新頻度を指定するには
- ナビゲーション画面または[トポロジ]タブを使用して、適切なデバイスを見つけて選択します。デバイスに関する情報がコンポーネント詳細画面に表示されます。
- コンポーネント詳細画面の[情報]タブをクリックして[再設定]を展開し、[ATM リンク モデリング オプションおよび再設定]を展開します。
- [設定ディスカバリ間隔(秒)]フィールドの設定をクリックし、新しい間隔を秒単位で入力して、Enter キーを押します。
仮想リンク モデル間の論理的接続リンク
仮想リンク モデルでは、他の仮想リンク モデルとの Links_with 関係を使用して、論理的な接続を示すことができます。
管理された仮想回線
は、仮想リンク モデルが論理的な接続によって関連付けられている回線です。ATM 回線は、1 つのクライアントを ATM_Network 経由で別のクライアントに接続するか、またはスイッチド ファブリック内の ATM スイッチ間を直接接続します。デフォルトでは、スイッチング ファブリックを通過する回線は管理されません。仮想リンク モデル間の論理的な接続(
Links_with
関係)は、次の方法で作成できます。- ディスカバリを使用する(Cisco デバイスのみ)
- 接続を手動で作成する
- 作成する接続が定義されているファイルをインポートする
CA Spectrum は、障害分離プロセスの間に論理接続情報を使用します。
ディスカバリを使用した Cisco デバイスの論理接続リンク
ディスカバリを実行して ATM ネットワークをモデリングする場合、Cisco ATM デバイス上の VCL インターフェースに一意の IP アドレスが設定されていると、CA Spectrum はこれらのインターフェースの間の接続を解決します。Cisco VCL インターフェースとフレーム リレー DLCI インターフェースの間に接続がある場合も、CA Spectrum はこれらの接続を解決します。
注:
ディスカバリの使用の詳細については、「」セクションを参照してください。論理接続の手動作成
1 つの仮想リンクは 1 つの論理接続のみに含めることができます。
仮想リンク エンドポイント間の論理接続を手動で作成するには
- ナビゲーション画面または[トポロジ]タブを使用して、関連するデバイスとインターフェース モデルに接続されている、または関連するデバイスとインターフェース モデルを含む、ATM_Cloud または ATM_Network モデルを見つけて選択します。
- コンポーネント詳細画面の[情報]タブをクリックして[論理接続テーブル]を展開し、[追加]をクリックします。[論理接続マネージャ]ダイアログ ボックスが開きます。このダイアログ ボックスには、選択したクラウドに接続されている ATM デバイスまたは選択したネットワークに接続されているか含まれる ATM デバイスの、物理ポートのリストが表示されます。リストには、現在仮想リンク モデルが存在するポートのみが含まれます。
- 左の[物理ポート]ボックスで、接続する仮想リンクを含む物理ポートの 1 つを選択します。選択したポートの仮想インターフェースが、左側の[VCL インターフェース]ボックスに表示されます。
- 左側の[VCL インターフェース]ボックスで、論理接続の最初のエンドポイントを表す仮想リンクを選択します。
- 右側のボックスでステップ 3 と 4 を繰り返して、論理接続の 2 番目のエンドポイントを表す仮想インターフェースを見つけて選択した後、[追加]をクリックします。仮想リンク モデルの間にLinks_with関係が追加され、論理接続が[論理接続テーブル]に表示されます。
- 必要に応じて以上の手順を繰り返してさらに論理接続を作成した後、[閉じる]をクリックします。
管理対象外モデルへの論理接続の作成
回線の一方の側にデバイスとの SNMP 接続がない場合があります。そのような場合でも、管理対象外リンク モデルを含む論理接続を作成して、他のエンドポイントから回線を管理できます。
管理対象外リンク モデルへの接続を作成すると、ATM Circuit Manager は UnmanAtmLink タイプのモデルを作成し、
Contains
関係を使用してそれを ATM_Network または ATM_Cloud モデルと関連付けます。他のすべての論理接続と同じように、管理対象仮想リンク モデルと管理対象外仮想リンク モデルの間に、Links_with
関係が作成されます。管理対象外リンク モデルへの論理接続を作成するには
- ナビゲーション画面または[トポロジ]タブを使用して、関連するデバイスとインターフェース モデルを含むか、それに接続されている、ATM_Cloud または ATM_Network モデルを見つけて選択します。
- [情報]タブをクリックして[論理接続テーブル]を展開し、[追加]をクリックします。[論理接続マネージャ]ダイアログ ボックスが開きます。
- ダイアログ ボックスの左側の[物理ポート]で、管理対象仮想リンクが含まれる物理ポートを選択します。
- ダイアログ ボックスの左側の[VCL インターフェース]で、管理対象仮想リンクを選択します。この仮想リンクが、接続の単一管理ポイントになります。
- ダイアログ ボックスの右側の[物理ポート]で、管理対象外デバイス上の物理ポートを選択します。
- ダイアログ ボックスの右側の[VCL インターフェース]で[管理対象外リンク]を選択し、[追加]をクリックします。
- 管理対象外エンドポイントに関する以下の情報を入力します。
- 名前仮想リンク モデルの名前。便利なように、関連付けられている ATM_Network コンテナ モデルの名前がデフォルトの名前として表示されるので、それを指定する名前のプレフィックスとして簡単に使用できます。
- コンポーネント OID管理対象外エンドポイントのコンポーネント OID (Port_ID.VPL.VCL)。
- ネットワーク アドレス管理対象外インターフェースのネットワーク アドレス(割り当てられている場合)。
- 回線名回線の名前。「ロンドンからパリへのリンク」のような、意味のある任意の名前を使用できます。
- 回線 ID回線の ID。「Leased Circuit 119」のような、意味のある任意の ID を使用できます。
- [OK]をクリックします。管理対象外リンク モデルが作成され、それと管理対象リンク モデルの間の論理接続も作成されます。
ATM モデルとフレーム リレー モデルでの論理接続リンク
専用サービス プロバイダのネットワークの両側で ATM インターフェースとフレーム リレー インターフェースの組み合わせが使用されている場合、
Links_with
関係を使用して仮想インターフェース(VPL、VPT、VCL、DLCI)の間に論理接続を作成できます。これらのタイプの接続をモデリングする手順は、次の 2 つの点を除き、ATM 間の論理接続の場合と同じです。- 「物理インターフェースのサービス プロバイダのネットワークへの接続」の手順のステップ 1 で選択する物理インターフェースは、シリアル ポートなどのフレーム リレー インターフェースです。
- 「論理接続の手動作成」の手順のステップ 3 または 4 でエンドポイントとして選択する仮想インターフェースは、DLCI 仮想インターフェースです。
また、ファイルを使用して、ATM とフレーム リレーの接続のリストをインポートすることもできます。「論理接続のインポート」で説明されているインポート プロセスを使用してこれを行うことができますが、ATM_Network モデルまたは ATM_Cloud モデルの[論理接続テーブル]サブビューではなく、
VNM モデル
の[情報]タブにある[論理接続インポート ]サブビューにアクセスする必要があります。注:
フレーム リレーの詳細については、「」を参照してください。論理接続のインポート
接続を定義するカンマ区切りの ASCII ファイル(テキスト ファイルまたは XML ファイル)をインポートすることにより、仮想リンク モデル間の論理接続を作成できます。2 つの ATM モデルが含まれる接続、または ATM モデルとフレーム リレー モデルが含まれる接続を定義できます。
論理接続の定義には、カンマ区切りの ASCII ファイル(テキスト ファイルまたは XML ファイル)を使用する必要があります。接続を定義するには、次の構文を使用します。
<device_IP_1>,<subinterface_OID_1>,<device_IP_2>,<subinterface_OID_2>, <circuit_name>,<circuit_ID>,<Pipe>
以下のパラメータがあります。
- device_IP_1接続の 1 番目のデバイスの IP アドレスを指定します。
- subinterface_OID_1接続の 1 番目の仮想インターフェースのコンポーネント OID を指定します。
- device_IP_2接続の 2 番目のデバイスの IP アドレスを指定します。
- subinterface_OID_2接続の 2 番目の仮想インターフェースのコンポーネント OID を指定します。
- circuit_name(オプション)回線の名前を指定します。意味のある任意の名前を使用できます。
- circuit_ID(オプション)回線の ID を指定します。意味のある任意の ID を使用できます。
- パイプ(オプション)接続をグラフィックに表すためにライブ パイプを作成するには、CREATE_PIPE を指定します。それ以外の場合は、NO_CREATE_PIPE を指定します。
ファイルで定義されている論理接続をインポートするには
- OneClick で、ナビゲーション画面またはトポロジ ビューを使用して次のいずれかを選択します。
- 接続を定義する仮想リンク モデルの物理インターフェースを含む、または物理インターフェースへの接続がある ATM_Network
- 接続を定義する仮想リンク モデルの物理インターフェースへの接続がある ATM_Cloud
- [コンポーネント詳細]ウィンドウで[情報]タブをクリックし、[論理接続テーブル]を展開します。
(仮想インターフェース間のリンクについて記述したファイルをインポート)をクリックします。
- [開く]ダイアログ ボックスで、接続の定義が含まれるファイルに移動し、ファイルを選択して[開く]をクリックします。接続の定義がインポートされて、論理接続が作成されます。インポート プロセスが失敗した場合は、操作の結果の説明が[インポート結果]ダイアログ ボックスに表示されます。
- [インポート結果]ダイアログ ボックスで、[OK]をクリックします。
注:
VNM モデルの[Modeling Gateway]サブビューの[情報]タブで、現在(および以前)のインポート操作についての追加情報を見ることができます。このビューには、インポートされたファイルの名前、操作に対して作成されたログ ファイルの場所、およびその他の情報が表示されます。仮想リンク モデル間のパイプの作成
場合によっては、仮想リンク モデル間の重要な論理接続を表すパイプ(解決済みの接続)の作成が必要になります。これにより、トポロジ ビューでパイプの色に基づいて回線のステータスをモニタすることができます。
注:
パイプの概要については、「IT インフラストラクチャのモデリングと管理」を参照してください。仮想リンク モデルの間にパイプを作成するには
- ナビゲーション画面またはトポロジ ビューで、仮想リンク モデルの 1 つを含むデバイスを見つけて選択します。デバイスに関する情報がコンポーネント詳細画面に表示されます。
- コンポーネント詳細画面で、[インターフェース]タブをクリックします。デバイスの物理および仮想インターフェースがタブに表示されます。
- 物理インターフェースを展開して、関連付けられたリンク モデルを表示します。インターフェースを右クリックすると、IP アドレスの[すべて展開]または[すべて折りたたむ]オプションを表示できます。
- パイプで接続する仮想リンク モデルの 1 つを選択し、右クリックして、[接続の開始]をクリックします。
- パイプで接続するもう 1 つの仮想リンク モデルを選択し、右クリックして、[接続先:<仮想リンク モデルの名前>]をクリックします。<仮想リンク モデルの名前>は、前のステップで選択したインターフェース モデルの名前です。
注:
論理接続のセットをインポートするときにパイプを作成することもできます。