SpectroSERVER(.vnmrc)リソース
内容
casp1032jp
内容
SpectroSERVER
リソースは、<$SPECROOT>
/SPECTRUM/SS/.vnmrc ファイルで定義されます。これらのリソース ファイルのデフォルト値の多くは、コード内に埋め込まれ、空白のままになっています。しかし、これらのリソースで値を指定すると、コード内に記載されたデフォルト値は使用されません。.vnmrc (仮想ネットワーク マシン ランタイム設定)ファイルのリソースは、
SpectroSERVER
のパス名とデフォルト設定を定義します。CA Spectrum
システム ソフトウェアには、SpectroSERVER
リソースのデフォルト設定を指定したランタイム設定ファイルが含まれています。リソースの値を変更することによって、以下の変更を行うことができます。
- 一般的なSpectroSERVERリソースとディレクトリ パスを定義する
- イベント アーカイブを調整する
- ネーム サービス変数を指定する
- スレッド割り当てを調整する
- フォールト トレラント アラーム同期を制御する
これらのリソース エントリはすべて、「resource = resource_value」の形式で一覧表示されます。.vnmrc ファイル内のリソースの多くで、リソース値は空白になっています。
特定のリソースに値が表示されない場合、
CA Spectrum
はデフォルト値を使用します。.vnmrc ファイル内のリソースは、SpectroSERVER
の起動時に有効になります。SpectroSERVER
の実行中にこのファイルを変更した場合、変更は SpectroSERVER
の再起動時に有効になります。例: .vnmrc リソースの定義
この例では、イベント ログ データベースに記録されるレコードの最大数を設定します。
max_event_records=5000
- max_event_recordsリソース名です。
- 5000リソース値です。
一般的な
SpectroSERVER
(.vnmrc)リソース一般的な
SpectroSERVER
(vnmrc)リソースは、多くの SpectroSERVER
機能を制御します。一般的な SpectroSERVER
(.vnmrc)リソースの説明は以下のとおりです。- comm_portSpectroSERVERと通信するためにクライアント ユーザ インターフェースが使用する TCP ポートを指定します。ポート番号はインストール中に定義されます。コマンドの形式は以下のとおりです。comm_port=0xBEEF
- 0xBEEFデフォルトの TCP 接続ポート ソケットです。このソケットは、/netinet/in.h ファイル内の IPPORT_USERRESERVED パラメータに割り当てられるポート番号より大きい、有効な任意の TCP ポートになる可能性があります。ただし、ポートは 65535 未満(0xFFFF)である必要があります。
- snmp_trap_port_enabledSpectroSERVERを SNMP トラップ ポートにバインドし、トラップをリスンします。False に設定すると、SpectroSERVERは SNMP トラップ ポートにバインドしません。コマンドの形式は以下のとおりです。snmp_trap_port_enabled=TRUEデフォルト:True
- vnm_file_pathデータベース ファイルなど、SpectroSERVERの外部ファイルを格納するルート サブディレクトリを指定します。コマンドの形式は以下のとおりです。vnm_file_path=<directory>/spectrum/SS/CsVendor
- /spectrum/SS/CsVendorルート サブディレクトリのファイル パス
- tcp_buffer_sizeLAN 上のトラフィックに合わせて、適切なバッファ サイズに変更します。バッファ サイズが大きいと、スループットが向上します。このリソースは、TCP バッファのバイト数を表す数値を受け入れます。コマンドの形式は以下のとおりです。tcp_buffer_size=<blank>デフォルト:空白制限:8192 から 65536 バイト注:8 KB 未満の値は 8 KB に切り上げられます。64 KB を越える値は 64 KB に設定されます。
- resource_file_pathEther Map など、VNM リソース ファイルのファイル パスコマンドの形式は以下のとおりです。resource_file_path=./CsResource
- ./CsResource(オプション)VNM リソース ファイルのファイル パスです。このパラメータはブランクのままにすることができます。
- wait_activeサーバがすべてのモデルのロード後ただちに接続を受け入れるか、すべてのモデルがアクティブになるまで待つかを決定します。[Yes]に設定すると、コントロール パネルのメッセージは、SpectroSERVERの起動中にアクティブにされたモデルの実行パーセントを表示します。コマンドの形式は以下のとおりです。wait_active=noデフォルト:no
- max_bind_retry_countリスン ソケット バインド リトライの最大回数を指定します。コマンドの形式は以下のとおりです。max_bind_retry_count=50デフォルト:50
- bind_retry_intervalリスン ソケット バインド再試行間の遅延を秒単位で指定します。コマンドの形式は以下のとおりです。bind_retry_interval=30デフォルト:30 秒
- min_client_versionクライアント接続に対してSpectroSERVERが受け入れる最小の parm ブロック バージョンです。コマンドの形式は以下のとおりです。min_client_version=0デフォルト:最小クライアント接続 0
- max_connectionsSpectroSERVERが受け入れる最大接続数です。接続は、他のSpectroSERVER、アーカイブ マネージャ、ロケーション サーバ(メインまたはローカル)など、クライアントからの場合もあれば、他のサーバからの場合もあります。コマンドの形式は以下のとおりです。max_connections=50 gensv000316 docs002958デフォルト:50 接続クライアント接続の最大数を超過すると、接続は失敗することがあります。SpectroSERVERの最大接続数を増やした場合、パフォーマンスを向上させるため、場合によって、ワークステーション上のオープン ファイル記述子の数を増やす必要があります。
- handshake_timeout接続ハンドシェーク中に初期 ID 情報を交換する時間を秒単位で設定します。コマンドの形式は以下のとおりです。handshake_timeout=40デフォルト:40 秒
- vnm_message_timeoutvnm_message_timeout リソースは、VNM 間で送信されるメッセージのタイムアウトを秒単位で設定します。コマンドの形式は以下のとおりです。vnm_message_timeout=180デフォルト:180 秒
- vnm_close_timeoutvnm_close_timeout リソースは、VNM 間で接続をクローズするタイムアウトを秒単位で設定します。コマンドの形式は以下のとおりです。vnm_close_timeout=180デフォルト:180 秒
- connect_time_limitVNM への接続のタイムアウトをミリ秒単位で設定します。コマンドの形式は以下のとおりです。connect_time_limit=5000デフォルト:5000 ミリ秒
- rcpd_comm_portリモート コピー プロセス デーモン(rcpd)のリスン ポートを指定します。このリソースは、フォールト トレラント データベースのバックアップに使用されます。コマンドの形式は以下のとおりです。rcpd_comm_port=0xCAFEデフォルト:0xCAFE
- procd_comm_portVNM がプロセス デーモンへの接続に使用するポートを指定します。コマンドの形式は以下のとおりです。procd_comm_port=0xFEEBデフォルト:0xFEEB
- snmp_trap_portVNM がトラップを受信するポートを指定します。 コマンドの形式は以下のとおりです。snmp_trap_port=162注:SPECTRUM がトラップをリスンするために使用する SNMP トラップ ポートを変更するには、$SPECROOT/SS/.vnmrc ファイルを編集します。1. 「snmp_trap_port=」に Spectrum に受信トラップをリスンさせる値を設定します。2. 次に、変更を有効にするために SpectroSERVER を再起動する必要があります。3. デフォルト値は162です。
- enable_traps_for_pingablesCA Spectrumが Ping 可能モデルで SNMP トラップを受信できるかどうかを指定します。デフォルトでは、.vnmrc ファイルにこのリソースが含まれていません。次の構文を使用して、ファイルに手動で追加します。enable_traps_for_pingables = TRUEデフォルト:TRUE
- max_devicedevice_limit リソースが有効なCA Spectrum製品に適用されます。デフォルトでは、モデル数が指定されたデバイス制限の 80% に到達すると、CA Spectrumは黄色のアラームを生成します。モデル数が指定されたデバイス制限の 100% に到達すると、CA Spectrumは赤のアラームを生成します。このリソースにより、実際のデバイス制限より小さい値を設定して、実際より前に警告を発生させることができます。コマンドの形式は以下のとおりです。max_devices=<# of device models>
- # of device modelsデバイス モデル タイプから取得した IP アドレスを持ち、かつ、指定した値が device_limit の値より下がったモデルを参照します。デフォルト値は空白です。
- disable_redundancy_when_using_loopbackループバックによってデバイスがモデリングされた場合、冗長性(0x11d2c)を無効にします。このパラメータは、VNM モデルの use_loopback(0x12bb)属性が True に設定されている場合にのみ適用されます。コマンドの形式は以下のとおりです。disable_redundancy_when_using_loopback=Falseデフォルトでは、このリソースは .vnmrc ファイル内にないので、自動的に False として評価されます。注:詳細については、「IT インフラストラクチャのモデリングと管理」を参照してください。
- persistent_alarms_activeSpectroSERVERのシャットダウン時、CA Spectrumがアラーム関連の情報を保持しないようにします。コマンドの形式は以下のとおりです。persistent_alarms_active=<False>デフォルトでは、このリソースは .vnmrc ファイルに表示されません。SpectroSERVERがシャットダウンし、再起動すると、CA Spectrumは自動的にアラーム関連の情報(トラブルシュータ割り当てまたはステータスなど)を保持します。シャットダウンの前に存在していたアラームが保持されます。これらのアラームは、「永続」アラームと見なされます。persistent_alarms_active=False を .vnmrc ファイルに追加すると、SpectroSERVERがシャットダウンしたときに、CA Spectrumがアラーム関連情報を保持しないようにすることができます。注:アラーム関連の情報を保持するサードパーティ製のアプリケーションを統合しない限り、persistent_alarms_active リソースを追加しないことを強く推奨します。このリソースを追加すると、以下の効果があります。
- 追加されたアラーム ステータスが失われる(過去のイベントとしてのみ記録される)。
- SpectroSERVERシャットダウン時に存在したアラームが、新しいタイムスタンプで起動時に再生成される。
- 再生成されたアラームがアラーム通知ツールに転送される。
- unsupported_attr_poll_interval外部属性が「noSuchName」エラーを返した場合に、その外部属性をポーリングするまでCA Spectrumが待機する時間を指定します。このパラメータが .vnmrc ファイルで指定されていない場合、デフォルト値(12 時間)が使用されます。コマンドの形式は以下のとおりです。unsupported_attr_poll_interval=43200デフォルト:43200 秒(12 時間)
- snmpv3_engine_id=SpectroSERVER の SNMPv3 ローカル エンジン ID を指定します。これは静的な値(デフォルトでは MAC アドレス)であり、エンジン ID ディスカバリがサポートされていないデバイスでも設定できます。 「snmpv3_engine_id=」値が設定されている場合、SpectroSERVER の停止および再起動時に、エンジン ID が変化しません。
イベント アーカイブ(.vnmrc)リソース
イベント アーカイブ(.vnmrc)リソースは、ログ記録用に
SpectroSERVER
がアーカイブ マネージャにイベントを送信するプロセスを制御します。イベント アーカイブ(.vnmrc)リソースの説明は以下のとおりです。- max_event_recordsイベント ログ データベースに保存できるレコードの最大数を指定します。コマンドの形式は以下のとおりです。max_event_records=# of Records
- # of Recordイベント ログ レコードの数です。最小値は、event_record_increment の値と等しくなります。システム記憶容量は最大値を制限します。デフォルト:20,000
- event_record_incrementレコード数が max_event_records 値を超えた場合、イベント ログ データベースから削除するレコードの数を指定します。コマンドの形式は以下のとおりです。event_record_increment=# of Records
- # of Recordsデータベースから削除されるイベント ログ レコードの数。最小値は 100 です。
- event_batch_max_size1 バッチあたりに許容されるイベントの最大数を設定します。バッチがいっぱいになると、イベント バッチはただちにアーカイブ マネージャに送信されます。コマンドの形式は以下のとおりです。event_batch_max_size=1000デフォルト:1000(イベントの最大数)
- event_batch_timeoutイベント バッチがアーカイブ マネージャに送信される際の時間を秒単位で決定します。コマンドの形式は以下のとおりです。event_batch_timeout=1デフォルト:1秒
- log_user_eventsユーザが開始したモデル属性値の書き込みそれぞれに対してイベントを生成するかどうかを制御します。値を True にすると、VNM がイベントを生成します。コマンドの形式は以下のとおりです。log_user_events=Falseデフォルト:False
- use_log_queueイベントが生成されたときに個別のキューにイベントを配置します。これらのイベントは、個別のスレッドにあるアーカイブ マネージャに送信されます。「TRUE」に設定すると、イベントは生成されたスレッドと同じスレッドにあるアーカイブ マネージャに送信されます。この状況では、アラーム作成が遅れる可能性があります。コマンドの形式は以下のとおりです。use_log_queue=<blank>デフォルト:<空白>
ワーク スレッド(.vnmrc)リソース
SpectroSERVER
はマルチスレッドのプロセスです。通常の動作中、各サブシステムは多数のワーク スレッドを割り当てます。SpectroSERVER
は、一定期間再利用するワーク スレッドのプールを維持しています。作業アクティビティが増加している期間中、サブシステムはそれぞれの上限までプールのスレッドを使用します。作業スレッドの共通プールが使い果たされると、新しい作業スレッドが作成されます。プールは、増加したアクティビティを格納するため、拡大します。サブシステムが必要としなくなったワーク スレッドは、後で使用できるように、共通プールに返されます。その後のニーズを満たすためにスレッドがプールから取得されることもあれば、プールが空の場合は、新しいスレッドが割り当てられることもあります。指定された期間、未使用のままのスレッドはプールから削除され、そのリソースはシステムに返されます。この処理を「エージング」といいます。
ワーク スレッド(.vnmrc)リソースの説明は以下のとおりです。
- max_total_work_threadsすべてのSpectroSERVERサブシステムに割り当てることができるワーク スレッドの最大数を指定します。各作業スレッドは処理リソースを消費し、メモリの重要なブロックを必要とします。システム容量(メモリ サイズと速度)に基づいてその値を設定します。このリソースの値が大きすぎると、SpectroSERVERでメモリ不足が定期的に発生することがあります。このリソースの値が小さすぎると、SpectroSERVERの動作が遅くなることがあります。このリソースの値を新たに設定または変更した場合にSpectroSERVERを再起動すると、CA Spectrumは新しい値を読み取ります。読み込まれた値を使用して、VNM モデルの WorkThreadsMaxAvail 属性の値が更新されます。WorkThreadsMaxAvail の値が更新されると、max_total_work_threads の値が .vnmrc ファイルから削除されます。コマンドの形式は以下のとおりです。max_total_work_threads=# of threadsVNM の WorkThreadsMaxAvail 属性のデフォルト値は 500 です。
- work_thread_ageサブシステムが必要としなくなった作業スレッドは、作業スレッド プールに返されます。このリソースでは、ワーク スレッドを未使用のままプールに残しておくことができる期間(秒単位)を指定します。このリソースを、サブシステム アクティビティと互換性のある値に設定します。ワーク スレッドを作成するには、大量の処理オーバーヘッドが必要です。このリソースの値を低く設定しすぎると、作業スレッド要求に応じて新しいスレッドを頻繁に作成することになり、システム リソースに負担がかかります。値を高くしすぎると、リソースが不必要にコミットされ続けることを意味します。コマンドの形式は以下のとおりです。work_thread_age =secondsデフォルト:60 秒
フォールト トレラント アラーム サービス(.vnmrc)のリソース
フォールト トレラント環境では、プライマリとセカンダリの
SpectroSERVER
間でアラームを同期する必要があります。サーバはアラーム情報を交換するために接続します。初期接続試行が失敗した場合、以降の試行を実行できます。フォールト トレラント アラーム サービスは、以下の設定を使って、アラーム同期を制御します。- ftasv_enabledアラーム同期を有効にします。プライマリおよびセカンダリの両方のサーバに対して、.vnmrc ファイルにこのコマンドを含めます。コマンドの形式は以下のとおりです。ftasv_enabled=trueデフォルト:True重要:一方のサーバの ftasv_enabled を True に設定し、もう一方のサーバを False に設定することはできません。両方のサーバに、同じ値を使用します。
- ftasv_max_conn_retry_count接続の試行が失敗した後、同期のために、プライマリ サーバがセカンダリ サーバへの接続を試行する回数を指定します。このパラメータは、プライマリSpectroSERVERの .vnmrc ファイルで必要です。注:セカンダリ サーバへの接続を試行する場合、プライマリ サーバはこのパラメータを使用します。セカンダリ サーバがプライマリへの接続を試行する場合、このパラメータは使われません。コマンドの形式は以下のとおりです。ftasv_max_conn_retry_count=# of retriesデフォルト:4 回(セカンダリ サーバに関する同期試行は合計 5 回)。
- ftasv_conn_retry_intervalプライマリ サーバがセカンダリ サーバとの同期を移行する間隔を秒数で指定します。プライマリSpectroSERVERの .vnmrc ファイルでこのパラメータを使用します。注:セカンダリ サーバへの接続を試行する場合、プライマリ サーバはこのパラメータを使用します。セカンダリ サーバがプライマリへの接続を試行する場合、このパラメータは使用されません。コマンドの形式は以下のとおりです。ftasv_conn_retry_interval=# of secondsデフォルト:30 秒
- ftasv_debugアラーム同期アクティビティ用に、デバッグ出力を有効にします。プライマリおよびセカンダリの両方のサーバに対して、.vnmrc ファイルにこのコマンドを含めます。デバッグ出力は、各サーバの VNM.OUT ファイルに書き込まれます。各メッセージは、「Fault Tolerant Alarm Service」という文字列で始まります。コマンドの形式は以下のとおりです。ftasv_debug=trueデフォルト:False
重要:
プライマリ サーバによる接続試行時に、セカンダリ SpectroSERVER
が動作していない場合、プライマリは同期試行を使い果たします。その結果、プライマリ SpectroSERVER
の起動が遅れます。ftasv_max_conn_retry_count と ftasv_conn_retry_interval に対してデフォルト設定を使用した場合の遅延は 2 分(30 秒間隔で 4 回の試行)です。この遅延はモデルのアクティブ化の前に発生するため、回避不能です。回避策は、プライマリの起動時にセカンダリ SpectroSERVER
が動作していることを確認することです。また潜在的な遅延を縮小するため、再試行回数または再試行間隔を減らすこともできます。snmpv3_engine_id=