アラームと障害管理
内容
casp1032jp
内容
DAG フェールオーバなどの特定のアクティビティについて知っておくと、Active Directory および Exchange Server 環境の潜在的な問題を最小限に抑えられる可能性があります。ユーザにアラートするには、
CA Spectrum
でアラームを生成し、高度な障害管理技術を使用して根本原因を分離します。単一のデバイスに関する問題では、ネットワーク内の他のいくつかのデバイスでイベントが生成される場合があります。どのデバイスがアラームの根本原因かを特定することは難しい場合があります。たとえば、ADES Manager (プロキシ マネージャ)との接続が失われると、ADES Manager が管理するホストとのプロキシ通信も失われます。その結果、ADES ホスト マネージャおよびその管理対象ホストのそれぞれに対してアラームが生成されます。同時に生成された数百のアラームを手動で選別し、問題を特定することは、面倒で、エラーが発生しやすいプロセスとなる場合があります。ADES Manager は、障害分離技術を使用して自動的にアラームを相関させることにより、単一の根本原因を特定し、トラブルシューティング プロセスを大幅に簡略化します。その結果、その問題をより迅速に識別し、修正できます。
ADES Manager は、どのデバイスがアラームを発生させているか、およびデバイスが生成しているイベントのタイプを評価します。
CA Spectrum
は利用可能な情報をすべて使用して、アラームを適切な根本原因に相関させ、分離された障害の発生したデバイス上でアラームを発行します。ADES Manager は、意味のあるイベントおよびアラームを作成するために標準の CA Spectrum
監視、プロキシ管理、およびトラップの組み合わせを使用します。ADES Manager アラーム
監視対象の Active Directory および Exchange Server 環境内の問題をユーザにアラートするために、ADES Manager は以下の条件のアラームを生成します。
- Active Directory または Exchange Server プロキシ通信が失われました。これは、更新された Active Directory または Exchange Server メトリックを取得できなくなったことを示します。
- ADES ホスト マネージャ(ADES AIM)の停止または通信の切断
トラップ
CA Spectrum
は、ADES AIM が生成するトラップの多くをサポートします。トラップ アクティビティは、CA Spectrum
内にイベントを生成し、ADES ホスト マネージャ モデルで最初にレポートされます。その後、一部のイベントは、トラップのタイプに応じて、対応するエンティティ タイプ(つまり、「宛先」エンティティ)に転送されます。以下の表では、トラップおよび宛先エンティティ タイプを示し、トラップがデフォルトでアラームを生成するかどうかを示します。
トラップ名 | トラップ OID | アラームを生成 | 宛先エンティティ |
exchAdForestAddedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166100 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdForestRemovedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166101 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdDomainAddedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166102 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdDomainRemovedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166103 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdManagedHostAddedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166104 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdManagedHostRemovedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166105 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdManagedHostPollStatusChangedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166106 | いいえ* | ADES ホスト マネージャ |
exchAdDomainControllerAddedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166107 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdDomainControllerRemovedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166108 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdDagAddedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166109 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdDagRemovedTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166110 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdHostAddedToDagTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166111 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdHostRemovedFromDagTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166112 | いいえ | ADES ホスト マネージャ |
exchAdDagFailOverTrap | 1.3.6.1.4.1.546.1.1.0.166117 | はい | ADES ホスト |
* ポーリング インテリジェンスはアラーム生成を処理します。
注:
ADES AIM トラップの詳細については、MIB ツールを使用して「empireExchangeAdMIB」の MIB を表示してください。詳細については、「IT インフラストラクチャのモデリングと管理」を参照してください。プロキシ管理
ADES AIM が管理するホストは独自の管理機会を提供します。この方法を使用すると、
CA Spectrum
は標準的なデバイス監視方法に加えて代替の管理的視点を持つことができます。プロキシ管理
は、デバイス自体からではなく代替ソース(AIM など)経由で行うデバイスの管理です。ADES AIM は、CA Spectrum
が Active Directory および Exchange Server 技術に固有の情報を収集する「プロキシ」として機能します。CA Spectrum
は標準の監視を使用してデバイスから情報を直接収集します。プロキシ管理を使用することで、CA Spectrum
は、ADES AIM から管理対象ホストの Active Directory および Exchange Server メトリックを同時に収集します。これらのメトリックには、標準的な監視では取得できない各サーバ役割に固有の情報が含まれます。注:
ADES AIM は、[CA Spectrum
モデリング情報]に定義されたプロキシ モデルではありません。プロキシ モデルとして指定されたモデルの詳細については、「IT インフラストラクチャのモデリングと管理」を参照してください。
標準の
CA Spectrum
障害管理は、2 つの方法でこの二重管理を処理します。- プロキシ管理アラーム。ADES AIM を管理に使用することによって、プロキシ関連のアラームは生成できます。デバイスまたは直接(SNMP)管理の状態ではなく、プロキシを介した Active Directory または Exchange Server メトリックの取得に影響がある場合にユーザにアラートするので、これらのアラームは固有です。プロキシ経由の接続が失われたときにそれを知ることは重要です。環境に関する重要なサーバ役割の情報を失う可能性があるためです。プロキシ管理アラームはメジャー重大度で、ユーザはクリアできません。
- プロキシ使用不可-CA Spectrumが ADES AIM と通信できない場合、ADES ホスト マネージャ モデルではプロキシ使用不可アラームが生成されます。以下のテキストが proxy unavailable アラームに表示されます。ACTIVE DIRECTORY AND EXCHANGE SERVER MANAGER UNAVAILABLE
- プロキシ ロスト-CA Spectrumがプロキシ経由で管理対象ホストに関する情報を取得できない場合、プロキシ ロスト アラームが生成されます。たとえば、CA Spectrumが ADES ホスト マネージャ モデルと通信できない場合、CA Spectrumはプロキシ使用不可アラームを生成します。CA Spectrumは、また ADES ホスト マネージャが管理するホストのそれぞれにプロキシ ロスト アラームを生成します。別の例として、ADES AIM が管理対象ホストと正常に通信できない場合にも、CA Spectrumはプロキシ ロスト アラームを生成します。
- 以下のテキストが、proxy lost アラームに表示されます。ACTIVE DIRECTORY AND EXCHANGE SERVER HOST PROXY LOSTプロキシ ロスト アラームは、ADES Manager が管理するホストに対してのみ生成されます。ホストがプロキシによって管理から削除される場合、それぞれのプロキシ管理アラームがクリアされます。複数の ADES AIM がホストを管理している場合、ADES ホスト マネージャ モデルごとに 1 つずつ、複数のプロキシ ロスト アラームが管理対象ホストに対して生成されます。注:単一の ADES AIM のみによってホストを管理します。
- 拡張接続ロスト アラーム。ADES ホスト マネージャとの接続が失われたことを示す標準CA Spectrumアラームには、ADES Manager プロキシ管理アラームの追加された相関が含まれます。これらのプロキシ管理アラームは、Active Directory および Exchange Server メトリックが取得できなくなったことを示します。以下のテキストが、contact lost アラームに表示されます。DEVICE HAS STOPPED RESPONDING TO POLLS
アラーム相関
標準の
CA Spectrum
障害管理およびプロキシ情報を使用して、ADES Manager は自動的にアラームを相関し、単一の根本原因を特定します。ADES ホスト マネージャ モデルに対するプロキシ使用不可アラームは、モデルに対する以下のアラームと相関されます。- 接続切断
- 保守
- ハイバネーション
- 管理が失われた
また、プロキシ ロスト アラーム(プロキシ使用不可アラームの作成時に生成される)は、プロキシ使用不可アラームに相関されます。
注:
アラームの[影響度]タブを使用し、相関した、または徴候的なアラームについての詳細を参照できます。次のセクションのシナリオは、生成されたアラーム、それらが示すもの、およびそれらがどのように相関しているかに関する詳細を提供します。
ADES Manager の障害管理シナリオ
以下のシナリオは、さまざまな障害管理状況で ADES Manager がどのようにして根本原因を確定するかを説明します。
シナリオ:
CA Spectrum
と ADES AIM の間の接続が失われたCA Spectrum
が ADES AIM と通信できない場合、CA Spectrum
は AIM が管理する Active Directory および Exchange Server 環境に関する情報を失います。問題を分離するために、ADES Manager は以下のように根本原因を確定します。- CA Spectrumが ADES AIM と通信できない場合、ADES ホスト マネージャ モデルではプロキシ使用不可アラームが生成されます。たとえば、デバイスが保守モードまたはハイバネーション モードである場合、CA Spectrumはデバイスと通信できません。利用不可の理由はアラームを作成するイベントを通して識別されます。注:プロキシ管理アラームはモデルが保守モードのときでも生成されます。これらのアラームはデフォルトでは[アラーム]ビューに表示されません。
- CA Spectrumは、管理するホストに関する情報を ADES AIM から取得できません。その結果、この AIM が管理するホストのそれぞれについてプロキシ ロスト アラームが生成されます。
- プロキシ ロスト アラームは、兆候としてプロキシ使用不可アラームと相関しています。それはプロキシ使用不可アラームが根本原因であることを示します。
- CA Spectrumが ADES ホスト マネージャと通信できない場合、以下のいずれかの標準のCA Spectrum通信障害アラームも生成されます。
- 接続切断
- 保守
- ハイバネーション
- 管理が失われた
- 最後に、プロキシ使用不可アラームは、通信、プロキシ使用不可、プロキシ ロストという 3 層のアラーム相関階層を形成する標準通信アラームに相関されます。CA Spectrumが ADES AIM と通信できない理由を示す最上位レベルの通信アラームのみがユーザに表示されます。このアラームが根本原因を示します。
シナリオ: ADES AIM と Active Directory または Exchange Server ホストの間の接続が失われた
ADES AIM が管理対象ホストとの接続を失うと、そのホストの Active Directory および Exchange Server メトリックを取得できなくなります。この状況では ADES AIM 内に「古い」値が生じます。その結果、ホストに対してプロキシ ロスト アラームが生成されます。
シナリオ: Active Directory または Exchange Server ホストがダウンした
Active Directory または Exchange Server ホストがダウンした場合、
CA Spectrum
はプロキシからの情報とホストからの直接の情報の両方を使用します。CA Spectrum
は以下のようにこのシナリオを処理します。- ADES AIM によるデバイスの管理が失われるので、プロキシ ロスト アラームが生成されます。注:単一の ADES AIM のみによってホストを管理します。誤って複数の ADES AIM でホストを管理している場合、複数のプロキシ ロスト アラームが生成されます。管理しているそれぞれの ADES ホスト マネージャ モデルに対してプロキシ アラームが生成されます。
- 直接管理または標準のCA Spectrum障害管理を通じて、管理対象ホストに対して接続ロスト アラームが生成されます。
接続ロスト アラームおよびプロキシ ロスト アラームの両方がユーザに表示されます。両方のアラームが表示された場合、ホストとのプロキシ経由の通信方法と直接的な通信方法が影響を受けていることを示します。